家@鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

食べ物、飲み物、ワンコ、鎌倉特に七里ガ浜地区(七里ガ浜東と七里ガ浜)の話と八ヶ岳西麓(特に長野県諏訪郡原村)の話が多い、極めて退屈なブログ

八ヶ岳西麓原村(11) 読書と煮込み

ヘンデルの水上の音楽🎵

いかにも英国な、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮の演奏でどうぞ♪

この日の早朝の気温はマイナス8度だった。

その後マイナス7度へ。

この日は朝から静かに過ごした。

この別荘地は三井不動産が分譲したが、今は子会社の三井の森が分譲した隣接する三井の森別荘地と一緒に管理がなされている。

その三井の森の軽井沢事務所から不動産管理の冊子が時々送られて来る。

不動産があればそれについての管理や売却を三井不動産にまかせませんか?という宣伝目的の雑誌だ。

そんな不動産は私には残念ながらない(笑)。

そこにメーカーズシャツ鎌倉(俗に鎌倉シャツ)の社長さんが出ていた。

鎌倉市内に本拠を構え、高品質なシャツを比較的低価格で売る(激安ではないよ(笑))というコンセプトの会社だ。

しかしスーツにシャツにネクタイなんて姿が以前より少なくなり、コロナ禍以降の在宅ワークの隆盛などで、あちこちで鎌倉シャツも閉店しているのを見て来た。

ところが改めてニューヨークに出店したり、最高益を更新したりと頑張っておられるらしい。

鎌倉市民としては、ちょっとうれしくなる記事だった。

山荘に持ち込んだ古い本をちらちらめくって楽しむ。

英国の住宅の歴史を解説する本で、ポーター夫妻による、絵で見るイギリス人の住まい。

これは相模書房の本である。

相模書房は銀座の北の端に小さなオフィスを構えていて、なんとも個性的な本を出版している。私は他の本をそこへ直接買いに行ったこともある。

ただしこの本は、平安堂(長野県の書店)の旗艦店であった長野店(JR長野駅前のビルにあったが、10年前に閉鎖して移転済み)で買ったものだ。たしか八十二銀行本店に仕事で行った帰り、新幹線の待ち時間に駅前なので立ち寄ったのだと思う。さすが教育県長野の書店として当時最大の店舗であり、こうした変わった本が多数置かれていた。

英国の代表的な建築構法を、歴史を遡って素人でもわかるように絵と文字で解説した珍しい本だ。

この本を見ていると、英国では木造でも築何百年なんて住宅がたくさん今も残っている理由がわかる気がする。簡単には家を捨てない文化だ。しっかりした部材を使ってしっかりとつくられた住宅が多い。

こちら(↓)はウェリン・ガーデンシティ等、19世紀以降に多く郊外のあちこちにつくられた「ガーデンシティ」と名前が付く住宅地の話である。「ガーデンシティ」という言葉は日本では「田園都市」と訳された。有名な大田区の田園調布なんて地名にその痕跡が見られる。また東急の田園都市線なんて名前が正にそれを表している。

残念ながらその沿線上に開発された田園都市的住宅地は、英国のガーデンシティとは似ても似つかないものとなった(笑)。名は体を表さなかったのである。

田園調布の開発は古い。東急東横線田園調布駅正面西側の道路が半円状のカーブを描いているのも、英国的な住宅地のつくりを真似たものらしいが、日本ではこれは絶対嫌がられるので普及していない。

日本は単純にマス目に道路を描き、敷地が道路にどの方向で面していても、狭い敷地の中で南側の土地を開けて住宅を北に目一杯寄せて、デザイン的には南以外の方角は閉ざしたような住宅地が多い。

したがって日本では、カーブを描いていろんな方向を向いた道路に接した分譲地は、家のデザインや配置に困るのである。

他のページでは、日本語でいうとところのプレハブ住宅についての解説もある。

「工場で造られたプリファブ(=プレハブ)リケイティッド・ハウス」と解説してある。

しかしこの図、よく見てみると、英国ではなく米国で一般的ないわゆるツーバイフォー住宅の建て方みたいね。

柱や梁や桁を組むことなく、壁がいきなり立ち上がるやつ。

壁組構法とか、英語でバルーン(柱などがなく、壁と屋根と床が風船みたいに、あるいは箱みたいになって支え合っている)などと呼ばれる現代的構法だ。米国ではこれが19世紀に広がり、今では支配的な木造住宅の構法となっている。

日本の在来構法みたいにまず柱や梁を線で組んで・・・なんてことをするのは米国ではよほどの趣味人で、あちらではティンバーフレーム構法と言われるが、実は私の山荘がそれだ。

こういうやり方ね(↓)。

この本も最後の方に来ると現代でも一般的なセミディタッチト(二軒がひとつの家になっている建物で、たいていは左右対称なデザイン)が出て来る。

こちらは以前にもたしかブログで紹介したと思う本で、山田佳世子さんの英国の間取り。

これもまた面白い本で、日本人が観察した英国の住宅の特徴が、日本との対比においてうまく説明されている。

英国だと、戸建ての住宅地では住宅の玄関が道路を向いて綺麗にデザインされおり、地域や土地の広さにもよるが、住宅と道路の間に前庭が少しあって、住宅を挟んで道路と反対側に、前庭より大きな庭が広がる。方角は関係ない。

ところがもっと街の中心に近くなると、テラスハウス型(二階建て連棟型住宅)が多くなる。画像(↓)のように、玄関と道路の間に前庭をとるスペース的余裕はない。

しかしそこはその住宅のイメージを決定する重要な箇所であり、精一杯のデザイン性が整えられるだろう。

そこがどの方角を向いていようが、住宅のデザイン性や建材で、できればそこに植物などを添えて、その前を通る人をなごませ、そこに住む人を少し想像させるような状態が外に向かって表現されている。それが各戸の街の景観への貢献となる。そうした住宅が多くなるほど、その地域全体の経済的価値も高まる。

ロンドンの中の高級地区に多いミューズ(馬小屋)。昔の話、高貴な方々は田舎に住むが、ロンドン中心部のハイクラスな地区にも家を持ち、そこには田舎とロンドンを行き来する馬を停めておく馬小屋が必要で、ここがそれだ。現代では馬小屋ではなく、その建物を低層で高級な住宅に改築して人が住んでいる。ロンドンの中心部にありながら元は馬小屋。しかし今は住宅として大変な価格で売買されている。なんでも古い方が偉いというすごい文化。長持ちするものをつくるからこそ、可能なことだが。

私も1週間だけ、そのミューズに滞在させてもらったことがある。もう36年前の話だ。かつて勤務していた米国系金融機関が宿舎を持っていて、それがミューズを使っていた。快適だった。

この通り(↓)にあった。この通りの名前はHay's Mewsと言う。Hayはほし草、Mewsは馬小屋。まさにそのものの名前だ。ロンドンでタクシー運転手さんに「Hay's Mews〇〇番地へお願いします」と言ったら、即座に通じた。当時何も知らない私に対し、その運転手さんは「昔はここに馬がたくさんいたんだよ」と教えてくれた。

しかし自分が宿泊したのが具体的にどの建物だったかは、私はまったく記憶していない。周囲はとても高級でオシャレな地区で、東京で言えば表参道の少し奥まったところにある住宅みたいなイメージだ。

次の話(↓)。これが不思議だ。

英国の住宅建築に方位はあまり関係ない。逆に言うと、日本ほど方角を気にする国も他にないのでは?(中国系風水好きな人々は除く)。この話もこのブログで過去に何度もしたね。

いや「日本ほど方角を気にする国も他にない」という表現は適切ではなくて、日本人ほど南をありがたがって、どんな状況でも南に空地を確保しようとする国民はいないのではないか、というのが正しいかも。日本では可能な限り南側に空地をつくり大きな開口部を設けて南から直射日光を家の中に目一杯注ぎ込ませようとする。今や熱帯雨林気候並みの日本でこれは夏になると暑いだけだが、そうやって敢えて室内気温をどんどん上げておいて、エアコンで無理やりそれを下げる。

英国なら自分の土地が道路にどの方向で接していようが、道路に向けて一生懸命住宅や玄関や駐車スペースをデザイン的に考えて、可能ならばポットや地植えにして植栽を配して、道行く人が自分の家を見て心地よく感じられるようにするはずだ。日本より冷涼な国だが、南至上主義は見られず、ご覧のとおりだ(↓)。

多くの国でそうだろう。方角はあまり関係がない。

屋内の床の奥にまで届くような大量の直射日光を常に採り入れていると、立派なアンティーク家具やカーペットを日焼けさせてしまう。すぐ廃棄してニトリから新しいのを買って来るわけではないので、それは困る。

日本っていろんな意味で特殊なのだと思う。

次の話。

「どこへも行かない旅」という林望先生の著書だ。私は林望先生が好きなのであるが、どうも先生は一般的にあまり好かれないらしい(笑)。

なぜかな? 合理的な人だと思うが。

「どこへも行かない旅」って言葉は矛盾がある。どこかに行かないと旅にならないでしょう?(笑)

実際には、平凡なところで良いからいろんな所を自分で歩けば良いくらいの意味だろう。

私はそもそも個人的旅行には30年ほど出かけていない(笑)。

鎌倉に普段はいて、長野県諏訪郡原村に時々行くだけだ。

仕事では本当にあちこち出かけたが、それはビジネスで出かけただけで、観光ではない。

鎌倉でも原村でもその近辺を歩いているだけで、毎日いろいろと発見があるもので、それについて調べて面白がっているうちに時間は経つ。

というわけで、林先生の本を再読している。

なんでもない雑木林。

それでもそこに生えている植物が、生えている地域や場所によりあまりに異なるし、そこにある道もなにがしかの特徴があって、それを不思議に思うわけで、それが面白いというのが先生の主張だ。

こちらの画像は、先ほど「田園都市」と私が書いた英国のウェリン・ガーデンシティだ。こんな何でもない住宅地を林先生は歩いて観察しておられる。こんな退屈な景色の画像でも観察はあるものだ。

前庭、歩道、公道、生垣、芝生と住宅。つくりは日本の住宅地とはかなり異なる。

例えば日本中の道路にある段差スロープは、この画像ではどこまで行っても見あたらない。段差スロープとは、街中や郊外で、個人の敷地と公道の間の10~15cmの段差をクルマを上手く通すために公道上に置かれる小さなの斜面で、コンクリート、樹脂、あるいは金属で出来たものである。それを公道上に置きっぱなしにすることは明らかに道路法に違反している。公道に私物など放置できるわけがない。しかもバイクがそこに乗り上げる事故で人が死んだこともあるし、そこを流れる水やゴミをせき止めてしまう。しかしなぜか日本中でそれが公道上に放置されている。過去に稀にそれで書類送検された例はあるが。

そんな国は私が調べた限り日本だけで、不思議の国ニッポン。

と思ってたら、旧年中にお仕事を依頼した濱野さんの本が出てきた。濱野さんは英国大使館の元ヘッド・ガーデナーであられる方。

その偉い庭師さんが、毎年我が家のわずかの木を剪定に来てくださる。今年もまもなく来て下さる。

そんな方、お高いんじゃないの?と思う方も多いでしょうが、そうではありません。普通のお値段で、お仕事は超丁寧。

最近は素人が少し練習して、基礎を学ばずいきなりインターネットで庭仕事を格安で受託したりするから、それよりは高いかもしれないけど、それはまた別物だ。荒っぽい。

そんなわけで、私は自分で剪定出来ない木々を5本ほど、毎年濱野さんに依頼している。

遠いところから来ていただいている。以前は鎌倉にお住まいだったが、数年前に引っ越されたのだ。だから「いつでもいいから来てくださいね」みたいな依頼になるが。

山荘の朝ごはん。

ミルクティ(正確には豆乳ティ)で濃いものを。眼ざめの紅茶だ。

薪ストーブを朝からしっかり焚いて、室内を温める。

二階は屋根裏となり、ここに暖気が溜まる。

なので、ここから吹き抜けと階段の両方向に扇風機で暖気を出して、さらに吹き抜けではファンを回して暖気を下に落としている。

ここからはランチの準備を開始する。

これは滞在最終日なので、カントリーキッチン・ベーカリーのクルミレーズンパンも食べ終わる。

小さなキッチンを楽しむ時間だ。

玉ねぎとニンジンとジャガイモを切る。

パセリも切る。

一部のパセリをみじん切りする。

豚肩ロースのお値下げ品を使い、肉と野菜の西洋風煮込みをつくる。

何もしない、アイリッシュ・シチューみたいな作り方だ。

切った具材を順番に入れて行く。

積み上げてギュッと。

マギーブイヨンと水。これで終わりだ。

これで蓋して何も動かさず煮るだけ。

私の好きな怠惰な料理である。何もしない、かき混ぜもしないのだ。

クルミレーズンパンを切る。

ランチまであと30分ほど。

ふたしたまま弱火でクツクツはストウブの得意とするところだ。

あ、ローリエを忘れていた。

慌てて1枚入れる。

最後にブラックペパーをガリガリしましょう。

もうちょっと、もうちょっとね。

屋内にはいい香りが漂っている。

肉と野菜がクツクツ。

薪ストーブに載せても良かったが、ちょっと火力が少なかった。

外はカラマツ林。この景色が好きです。落ち着いていると思う。カラマツ以外にもいろんな樹がある。

クツクツ、クツクツ。

あと数分です。

はい、出来ました。

肉や野菜がやわらかく煮込まれて、味もしみしみだよ~。

山荘滞在最終日のそれらしい食べ物だ。

これを食べて、クルミレーズンパンをかじる。

これでランチは終わり。

まだしばらくはここに滞在できる。

【つづく】